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ステンドグラスのデザイン・製作・施工までの全工程を

当工房で行うからこそ実現できた『住まいのトータルコーディネート』

PARUSA隈元孝行ステンドグラス工房 総合プロデュース 隈元孝行

ステンドグラスデザイン 隈元孝行

隈元孝行ステンドグラス工房

       デザイナー 隈元里佳

       ガラス施工 中馬秀一

パルサのステンドグラスはすべて社長がデザインし当工房の専属スタッフで製作しています。

ステンドグラスとの感動的な出会い。
      

千年近い歴史を持つステンドグラスは、19世紀までは教会を中心に、光を神秘的な輝きとする信仰の伝達手段の一つとしての役割を果たし、その後、装飾美術品としての存在価値を確立し今日に至っています。日本に入ってきたのは明治の初めで、以後100年以上の歳月を経たにも関わらず、現在もそれほど普及しているとはいえません。その原因にはステンドグラスがもつ宗教的なイメージに加え、作り手と住まい手ともに知識不足によっての誤解や、「ガラスだから弱いのでは」、さらには「一般家屋には似合わない」という先入観があるように思います。実際のところステンドグラスは小さなガラス片を鉛で組み合わせることで強度が増すため破損しても修理が可能であり、数百年の風雪に耐えて現存していることが意外と知られていないのです。

 1985年1月。国際見本市のために訪れた西ドイツ(現ドイツ)フランクフルトの会場にて最終日現地のブースの人に古い城の解体品見学に誘われた時のことです。好奇心もあり軽い気持ちで応じ雪道を3人で

パルサステンドグラス館設置

車で2時間余り、まちはずれの目的地に着いたのは青白い月明かりの中、夜9時過ぎでした。体育館のような建物の高さ3mぐらいの大きな引き戸を開けると、様々な瓦礫を山積みにしたような光景が目に飛び込んできました。目的もなく寒いのと時間が遅いこともあり、速足で見回りながら中央あたりで縦に無造作に並べられた窓や扉のようなものが目に入り、それは古いステンドグラスであることを聞かされました。

 土ほこりにまみれたその1枚ずつ、引き出して一人が懐中電灯で照らすと、長い年月とそこに存在した確かな歴史を垣間見せる宗教画が暗闇に浮かび上がりました。その作業を13~14枚目あたりでしょうか。光に浮かび上がったのは十字架を背負ったマリア様でした。薄暗く底冷えする静まり返った館内で微笑んでいるようでした。私は思わずポケットから手を出し、指でなぞり、布きれで強く汚れを拭き取りました。私がはじめて本物のステンドグラスに出会い、触れた瞬間でした。作者も年代も不明でしたが、この作品に強く心を打たれた衝撃は今でも鮮明に覚えています。真の芸術品とは本来、なんの言葉も説明も必要としない、見る人々に感動を与えるものなのでしょう。何十年、何百年と時を超えたステンドグラスが光に照らされた瞬間、色褪せなることなく、目の前で鮮やかに蘇える。ステンドグラスというものの長い歴史に思いをはせながら深く感動させられました。

 脈々と時を経ても生き続けるステンドグラスの魅力に魅せられ、日本建築や住まいに調和するステンドグラスを製作したいと試行錯誤の末にたどり着いた私は、今に残る名も知らぬ先人たちが残した貴重な作品を通じ、技術や技法をわずかでも理解したうえで、新しさを加えながら日本風土に調和するステンドグラス製作を目指すべきとの結論に達し、アンティークパネルの木製の古い窓枠を外し、腐食した鉛と様々な形状のガラスパーツを慎重に解体し、現代の鉛とガラスで新たに組み立て、製作することから私の新たなステンドグラスづくりが始まった。

当工房では、絵付けの技法として、通常のガラス絵具による低温での焼き付け技法「エナメル彩」ではなく、色ガラスを砕いた顔料と金属酸化物をガラスの表面一面に約0.5~1mmを均等に塗り重ね、削り取ることによって描きたいものを浮かび上がらせ、通常の手法よりも正確なデッサン力が要求される焼絵付けを主としています。8時間以上かけてゆっくりと温度を上げながら約800度で焼くことで完全に焼き付け、同じように8時間かけて冷却するため、通常のステンドグラス製作より数倍の時間を要します。

 

様々な情報がより素晴らしいものの発見につながり、伝統が現代に合ったものへと変化し融合していく中で、ステンドグラスも同じように進化していくと思います。実際に現代家屋の玄関や室内ドアにはカットガラスが、明り取りやアクセントとして色ガラスをはめ込むのは当たり前になってきました。今後はより個性のあるものやオリジナルティの高いものが主流となってきます。当工房では、創業当時から設置する場所からデザインすることにこだわってまいりました。美しい家具やインテリアそしてステンドグラスなど芸術のある暮らしは、暮らしに彩りを、心に安らぎと癒しをもたらすと考えています。この思いはパルサの経営理念『夢のある豊かな住まいづくり』にも掲げております。移り行く時代の中でも言葉すら要さない『本物の美』は人々によって受け継がれていくものです。今後も時代の変化を見据えつつ、本物の美を追求し、こだわり続けていきたいと考えています。また、同じ価値観をもったデザイナーとして新人の育成にも力を注いでいきたいと考えています。

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